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金田正人の自然かんさつのススメ
7. 図鑑を使ってみる(2)
写真・文:金田正人

図鑑は手に入りましたか。それでは、いよいよ上手な図鑑の使い方です。

最初の部分をよく読みましょう

まずは用語や記号、分布図の読み方など、図鑑の使い方を覚えて、道具として役に立てましょう

図鑑なんだから図を見ればいいんじゃないかとか、調べたい種を必要なときに開けばいいんじゃないかとか、思われがちです。しかし、本物の生き物をみる道具として図鑑を使いこなすには、気が向いたときに図をみているだけでは本来の役には立ちません。

まずは「はじめに」とか「本書の使い方」をよく読みましょう。図鑑がどんな狙いで編纂されているのかということを知っておくのは図鑑を使う上で大事だし、「本書の使い方」を分かっていないと、用語や記号、分布図の読み方が分からず、正しく図鑑を使えないからです。使い方を覚えて、道具として役に立てましょう。

図鑑を良く読みましょう

図鑑の使い方を覚えたら実際に使ってみましょう。できればサクラとか、スズメとか「間違いなく知っている」相手を観察しながら、図鑑と見比べ、そして説明を読んでみてください。

「知っている」と思っていた相手の知らないことがたくさんあることに気付くと思います。

分布(どこに住んでいるのか)とか、食性(なにを食べているのか)とか、書かれている説明をよく読んで、専門用語に慣れましょう。「嘴基部」とはどこか、「淡褐色」とはどんな色か。説明をよく読むことに慣れることも大事です。

見た目だけでは、関東で見つけたものを、沖縄にしか分布していないものと判断してしまうということもあります。説明を良く読めばこうした失敗は防げます。

沖縄にしか分布していない生き物を、人が連れてきて放し、それをたまたま見つけたということもあり得ます。そんなことがわかるのも、図鑑を使いこなしてからということになるでしょう。

図鑑に書き込みをしましょう

注意 図書館で借りてきた図鑑に書き込みをしてはいけません!

注意 図書館で借りてきた図鑑に書き込みをしてはいけません!

自分で買った図鑑は大事に本棚に並べてカバーをかけておくのではなく、野外に出るときにはなるべく持ち歩き、そして図鑑に書き込みをしましょう。図鑑用語を自分専用に翻訳して書き込んだり、気付いた見分け方や特徴を書き込んでおくと、別の種類を判断しなければならなくなったときにとても役に立ちます。

色や声(音)、形は専門家でも表現が難しいものなので、必ずしも自分に分かりやすいように書かれているとは限りません。だから、自分にわかりやすいように書いておくことはとても便利です。

さらに、見つけた場所や年月日などもメモしておくと、次に別の場所で同じ種類に再会したときに、会った時の記憶がよみがえり、その生き物との距離が一層縮まります。そんな風にして、使い込んだ図鑑は、世界で一つだけのあなた専用の図鑑になります。

 

金田正人氏について

かねだまさと

財団法人日本自然保護協会
自然観察指導員

神奈川県横浜市生まれ。日本大学藝術学部写真学科卒。学生時代から東京を中心に自然観察会を開催。卒業後は、主な活動場所を三浦半島に移し、環境教育や自然保護活動を展開。1991年自然観察指導員講習会を受講。1994年から2005年同講習会講師。1995年に神奈川農環境自主保全協力グループ「こさく」を、1996年に三浦半島自然誌研究会を仲間と設立。最近では外来生物問題(特にアライグマ)対策にも取り組んでいる。生物多様性JAPAN研究員、逗子市環境審査会委員。

財団法人日本自然保護協会
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